相続財産管理人について少し詳しく・・。

2021年02月21日

最近、相続人のいない建物が廃家状態になり社会問題となっています。

 

普通、人が亡くなった時には、故人の遺産は相続人で分割されます。

 

しかし数多くないケースではありますが、法定相続人が全くいないという事もあり得ます。

 

独身で兄弟もおらず、両親も無くなっているなどすると、戸籍上での相続人がいないのです。

 

このようなケースでは、誰がどのように手続きをすると、不動産の引き継ぐことができるでしょうか?

 

 

 

被相続人に法定で指定されている相続人がいないケースでは、遺言書が残されていないと相続財産の処理に困ってしまいます。

 

誰も所有できない、行き場のない財産へと変化するからです。

 

そこで家庭裁判所が登場し、財産の管理や負債の精算を行うように手配します。

 

 

 

「相続人不存在」とは・・通常であれば、遺言書で指定相続分が無い場合には、以下の順で相続される権利があります。

 

配偶者→子→直属尊属(孫やひ孫・父母や祖父母)→兄弟姉妹

 

上記の順番で相続人を探しても、誰一人もいないなら「相続人不存在」となります。

 

 

また以下のようなケースでも、「相続人不存在」とみなされます。

 

・相続欠格

 

相続人が被相続人の命を奪ったり、強制的に遺言書を書かせたり、などはこのケースに該当します。

 

・相続廃除

 

被相続人に対する暴行や虐待などの精神的苦痛や肉体的苦痛が与えられる場合です。

 

著しい非行が認められるなら、被相続人の意思に基づいて相続権を喪失させることが可能です。

 

・相続放棄

 

遺産の相続権を放棄するのがこのケースで民法で被相続人の債務を負いたくない場合に、相続を拒否することが認められています。

 

 

そして、該当する相続人がいない場合には、利害関係者等(金銭を貸していた債権者)の申請により、家庭裁判所は「相続財産管理人」を選任します。

 

ただし、裁判所に予納金(20万円から100万円が必要)を前払いする必要があります。

 

「相続財産管理人」には弁護士がなることが多くあります。

 

 

最後は国庫に帰属

 

「相続財産管理人」は選任されると、まずその旨が公告され、2か月間の間、相続人が現れるのを待つのです。

 

その後、相続債権者や受遺者などに対して、相続財産管理人が選任されたことが知らされます。

 

これも2か月の期間が設定されており、債権者や受遺者からの申し出があれば、公告期間終了後にまとめて清算手続きを行います。

 

債権申し出の公告期間が終了すると、次に相続人捜索の公告をし、相続人探しを行います。

 

相続人捜索の公告は6か月以上の期間を定めており、この公告期間の終了をもって「相続人不存在」が確定します。

 

相続人不存在が確定されてから、3か月の期間の間に別縁故者からの財産分与の申し立てがない場合には、相続財産は国庫に帰属します。

 

 

詳しくは弁護士、司法書士にご相談ください。

 

 

 

 

 

 

2-21相続財産管理